2006年12月05日

〔07〕in 東京

3号
12/5は、杉並区のフリースクールを訪問して来た。

今回の場所は、小さな学習塾のような佇まい。
犬、魚、亀、ヤドカリ、ハムスター等、
色々な生き物が飼われていて、
アニマルセラピーの場にもなっているようだ。

幼い頃、近所の犬に噛み付かれて以来、
犬その物が苦手になってしまったコイツ。
でも、ここの愛犬「3号」には、不思議と手を伸ばせた。

代表のSさんが特に会わせたがっていた子が、
少し遅れてやって来た。16歳の女の子・Lちゃんだ。
彼女はアスペルガー症候群という障害によって、
集団行動を取ることが難しいらしい。
のっけから超ハイテンションで、コイツに質問攻め。
こっちから何か訊ねると、今度は華麗にスルー。
かと思えば、いきなり「NANA」の主題歌を熱唱。
確かに、クラスにいたら浮いてしまいそうな子だが、
その嘘の吐けなさは、たまらなく愛おしかった。

夕方になると、小学生の勉強タイムが始まった。
邪魔してしまわぬよう、Lちゃんと外出。
二人で高円寺の街をぶらつくことに。
Lちゃんの要望に応え、ゲーセンで何年振りかのプリクラ。
大喜びのLちゃんに、コイツも大喜び。
二人きりで話す分には、何の支障もなかった。

彼女は小・中学時代、いじめられたことがあった。
それだけが原因というわけではないが、
学校へ行けなくなり、家からも出れなくなった3年間、
どうして生きているんだろうかと、悩み続けていたという。
コイツは正直に話した。自分はいじめる側だったこと。
でも、後に不登校になり、引きこもりになり、
同じように悩み続けていたこと。
Lちゃんはコイツの目を見て、手を握って、
何度も、「会えて本当に良かった」と言ってくれた。
「また一人、友達が増えた」と。

この日は、例の番組のオンエア日だった。
(23の方でも取り上げられることは、直前に知らされた)
しばらくの間、携帯電話が鳴り止まなかった。
その内容の大半は、古くからの友人による、
放送されたVTRへの不満の声だった。
「あんなんじゃ留香が叩かれまくるだけ」とか、
「留香だって色々苦しんできたのに」とか。
確かに、自分にもいくつかの精神的外傷はある。
けど、それらはいずれも、
イジメに走った自分を正当化できる理由にはならない。
同じような経験をした人でも、
イジメなどに走らず頑張っている人は沢山いる。
責められるべきなのは、被害者ではなく、加害者。
ディレクターさんにも、そこを強調してほしいと頼んだ。

立場上、単なる売名と受け取られることは避けられないし、
特に印象的に用いられた、あの場面。
実際コイツは、そこにいる子ども達よりも、
取材班の都合を優先し、あの話を始めた。
あれは、自分を慰める行為でしかなかったと思う。
反省してないように映るのも、無理ない。
それにはそれ相応の批判が巻き起こり、コイツ個人に対し、
激しい怒りや嫌悪感を剥き出しにしたメールも大量に届いた。
ただ、被害者を悪く言う人がいなくて良かった。
加害者であったコイツが美化されて伝わるよりは良かった。

いじめてしまった子との和解の道は、とても険しかった。
特に、中2の頃にいじめてしまった子とは、
数年後に再び連絡を取り合うようになってから二年間、
毎日のように、過去のことで口論になった。
「そもそもそっちが裏切ったりしなければ…」
「だからってあそこまでしなくたって…」
なかなか自分の非を認めることはできなかった。
でも、気付いた。気付けた。
解りたい、解ってほしい、そういう気持ちがなきゃ、
そんなに熱くなれっこない。二人で笑った。
二人とも、生きた。生きたから、そんな機会を得られた。
彼女は今でも、大切な友達の一人だ。
あの時、気丈に振る舞う彼女がいてくれたから、
そんな彼女を守り抜こうとする人がいてくれたから、
コイツは知ることができた。自分の弱さ、醜さ、愚かさ。
彼女も、コイツ等からイジメを受けるまでは、
ずっとイジメを率先していた存在だった。
当時の苦しみから学べたことは多いと振り返っていた。

10分程の映像やネット上の一部の文章を見ただけの人達が、
コイツ自身やその活動について、思い思いに述べている。
フリースクールの訪問自体をやめろという声もある。
もちろん、来てほしくないという所には行かない。
悪意に満ちたことをする人もいるが、かつての自分だって、
同様のことをして楽しんでいた。楽しめていた。
その姿だけで、その人の全てなんて解らない。
見守ってくれている人達にも、それは覚えておいてほしい。

「また会いましょう!」
そう言って手を振ってくれたLちゃんやSさんの笑顔が、
しっかりと心に焼き付いている。
これからも、コイツは探し続けたい。
こんな自分にできること。
posted by コイツ at 00:00| 【旅日記】2006年10月〜