2006年11月12日

〔03〕in 静岡

11/11は、静岡のフリースクールを訪問して来た。

今回は急遽、某TV局の取材班が同行。
行きの新幹線から、密着取材されるような形に。

この日は朝からあいにくの雨。
翌日には、屋外で行うライヴが控えていた。
新幹線の中、カメラを向けられ、
あれこれ質問に答えるも、外の天気の方が気になって、
何を話したか、ほとんど憶えていない。

翌日に控えていたのは、
フリースクール全国ネットワーク主催のイベント。
コイツ(=伊吹留香)は、
今回訪問する「ドリーム・フィールド(以下DF)」の
関係者の方々の演奏をバックに、
ゲスト出演させてもらうことになっていた。

初めて会う人達、初めて合わせる人達と、
たった一度のリハーサルで、翌日の本番に臨む。
その試み自体が初めてだというのに、
初めてのTV取材まで承諾してしまい、
徐々にオノレの軽率さを痛感。

浜松駅同じこと2回言わされたり、同じとこ2回歩かされたり。
少々苛立ちを覚えながら、浜松駅に到着。
取材班の荷物が多かったため、移動はワゴン車に。
まずは宿泊するホテルでチェックインを済ませ、
一路、リハーサル会場でもあるDFへ。

TVカメラが付いて来てることもあり、
待っていてくれた子達の眼差しは、どこか訝しげ。
しかし、コイツは取材班からの要望を聞き入れ、
みんなの貴重なリハーサル時間を削ってまで、
またイジメに関する自らの考えなどを主張。
自分がここの子だったら、きっとこう思ったに違いない。

 この人、私達の力になりたいんじゃなくて、
 TVの前で自分をアピールしたいだけなんじゃ?

緊張して、滑らかに話すこともできなかった。
話そうとしていたことを要約すると、下記の通りだ。

 いじめる側も何かしらの被害者だとか、
 かばってくれる人もいる。
 けど、実際にいじめていた当人、少なくとも自分は、
 学校のせいでも、家庭のせいでも、
 社会のせいでも、時代のせいでもなかったと思う。
 というか、それらのせいにしていたくない。

 気に入らない、自分と違う、裏切られた…
 それは、いじめたくなる理由であって、
 いじめなきゃいけない理由じゃない。
 イジメが良いことか悪いことかなんて、すごく簡単。
 自分がされたらどうか。イヤだ。
 わけもわからず殴られる、無視される、こき下ろされる。
 苦しめば苦しむほど、楽しまれる。しかも集団で。
 そりゃ、誰も信じられなくなる。死にたくだってなる。
 自分だったら耐えられない。
 そういうことを、どんな事情があったにせよ、
 どんな経緯があったにせよ、やってしまった。
 自分が汚かった。自分が愚かだった。そう思う。

 イジメを受けたことで、受けてることで、
 深く傷ついてる人がいるなら、声を大にして言いたい。
 あなたが悪いんじゃない。
 苦しみを知り、痛みを知り、それでも生きて来たあなたは、
 生きて行こうとしてるあなたは、むちゃくちゃカッケェよ。
 理不尽な現実と向き合って、闘って、今を生きてる。
 そんな自分(あなた自身)を、誇りに思ってほしい。

話しているうち、つい感情的になって、
この世から消えるべきなのはコイツみたいな人間だとか、
極端なことを口走ってしまったりもしたけど、
とにかく伝えたかったことは、生きてていいんだということ。
生きてると、辛いことも沢山ある。
けど、その経験を活かせる場所を探せたりもする。

ある子が、「いじめられる側で良かった」と言った。
学校へ行かなくなり、ここに通いだしたことで、
毎日を楽しく過ごせるようにもなったと。
そう、ここに通う子達は皆、
重たい過去や、深い傷、様々な障害を持ちながらも、
そんなこと全く感じさせないくらい、
生き生きとした表情を見せてくれる時があった。
歌っている時、楽器を奏でている時だ。
その姿を目の当たりにしたら、
自分の言葉の力なんて、ちっぽけなモンだと思った。

21時過ぎ頃から始まった、自身のリハーサル。
回され続けるTVカメラ。SET LISTは、全てオノレの曲。
なるべく良い状態で録られたいという欲から、
素人さん達を相手に、ちょくちょく細かな要求。
そのくせ自分もガチガチで、全く上手く歌えない。
深夜ホテルに帰ってから、一人で落ち込めるだけ落ち込んだ。
本番は今日、数時間後。
ほとんど眠れぬまま、朝がやって来た。

DFの代表者であり、ギターを弾いてくれるO先生から、
「ど寒いです!!」とのメール。
暑いのよりはマシだと思いながらホテルを出ると、
すでに待ち構えているTVカメラ。
正直かなり鬱陶しくなりだし、
日傘で顔を隠そうとするも、強い風に阻まれる。
イベント会場である駅前広場に着くなり、
逃げるように帽子を買いに。

フェス寒さには屈しない方だが、この日の寒さは尋常じゃなかった。
強風の正体は木枯らし1号。ステージはビルの影。
自分はキャミソールの上にニット1枚。
苦手な物に「日光」を挙げるコイツでも、
この日は太陽の有り難みを思い知らざるを得なかった。
無論、そんな中、立ち止まって観てくれる人は少ない。

生徒さん達はと言えば、元気元気。
それぞれ自分達の出番が待ち遠しくてしょうがない様子。
寄り添い、その笑顔を見れば、心はポカポカになった。

いよいよコイツの出番。
生徒さん達が視線を注いでくれてる中、下記の5曲を披露。

密着取材1. 胼胝 album ver.
2. 能ナシ
3. プラスドライバー
4. あすへの助走
5. 迷子の瞳

考えてみたら、昼のライヴも外でのライヴも初めて。
寒さはすぐに和らいだものの、風の強さは相変わらず、
目を開けて立っているのがやっとというくらい。
ちっとも歌いたいように歌えない。
でも、回され続けるTVカメラ。
さぞかしブサイクな面で映っていたことだろう。
ただ、みんなでやりきった。やりきれた。それが嬉しかった。
少し前までの自分なら、やろうともしなかったことだ。
実力ねぇくせに、妙なプライドはあって、
できる限りの努力もしてみないで、
ひがみ根性むき出しにしてばかりだった自分。

DFの人達は、思い出させてくれた。
純粋に音楽を楽しむ心。
そして、コイツをどん底から引き上げてくれたのも、
音楽という存在であったこと。

TVカメラの回っていない所で、
ホッカイロをくれた子、上着を貸してくれた子、
のど飴をくれた子、手作りケーキをくれた子…
そこは思いやりに溢れていた。

取材班の人達にだって感謝だ。
こんなささやかな活動に関心を持って、
わざわざ地方まで追っかけてくれて、晩飯まで奢ってくれたり。
なんだかんだで、いろいろと助かった。

帰り際、ここでも約束をした。
そう、ギターを持って、また来る。歌いに来ると。
posted by コイツ at 00:00| 【旅日記】2006年10月〜